2025年7月18日、ついに劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』が公開されました。日本歴代最高興行収入を記録した『無限列車編』に続く、待望の新作劇場版であり、シリーズのクライマックスとなる「無限城編」の幕開けです。
この記事では、劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』の物語の結末から、主要な戦闘の展開、命を落としたキャラクター、そして特に注目される上弦の参・猗窩座(あかざ)の悲しい過去と最期まで、徹底的にネタバレ解説します。
この先、は映画を鑑賞後の筆者によるネタバレ込みの記事となりますので、ネタバレを読みたくない方はここでブラウザバック!ぜひ映画を見終わった後にまた遊びに来てくださいませ。
目次
劇場版「鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」の結末を徹底ネタバレ解説!
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』は、原作漫画の16巻から18巻の途中までを映画化しており、鬼殺隊と鬼舞辻無惨(きぶつじ むざん)との最終決戦「無限城編」の最初のパートが描かれています。映画は、鬼殺隊当主・産屋敷耀哉(うぶやしき かがや)の死を囮にした無惨への奇襲から始まり、鬼殺隊士たちが無限城へと引きずり込まれる怒涛の展開で幕を開けます。
映画のラストはどうなった?主要キャラクターの運命
映画のクライマックスは、水柱・冨岡義勇(とみおか ぎゆう)と竈門炭治郎(かまど たんじろう)による上弦の参・猗窩座との激闘、そしてその決着が描かれます。炭治郎は「透き通る世界」を会得し、猗窩座の首を斬り落とすことに成功しますが、猗窩座は首を斬られてもなお肉体が崩壊せず、無惨のように進化しようとします。しかし、最終的に猗窩座は人間だった頃の記憶を取り戻し、自らの意思で肉体を破壊し、消滅するという衝撃的な最期を遂げます。
一方、蟲柱・胡蝶しのぶ(こちょう しのぶ)は、上弦の弐・童磨(どうま)との戦いで命を落とし、童磨に吸収されてしまいます。我妻善逸(あがつま ぜんいつ)は、兄弟子である新たな上弦の陸・獪岳(かいがく)との死闘の末、自身で編み出した技「雷の呼吸・漆ノ型 火雷神(ほのいかずちのかみ)」で獪岳を撃破します。善逸さんは重傷を負いますが、愈史郎(ゆしろう)の治療によって命を取り留めます。
映画のラストでは、猗窩座との戦いで満身創痍となった炭治郎と冨岡義勇が動けない状態となる中、産屋敷輝利哉(うぶやしき きりや)が指揮を執り、無限城の探索を進めていく様子が描かれます。無限城は摩天楼のように伸び続け、無惨は「私の元に辿り着くことはない」と自信を見せ、物語は次章へと続いていきます。
誰が生き残り、誰が命を落としたのか?死亡キャラのリスト
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』で描かれた戦いにおける主要キャラクターの生死は以下の通りです。
- 命を落としたキャラクター:
- 胡蝶しのぶ: 上弦の弐・童磨との戦いで敗れ、吸収され死亡しました。
- 猗窩座: 竈門炭治郎と冨岡義勇との戦いの後、人間時代の記憶を取り戻し、自らの意思で肉体を破壊し消滅しました。
- 獪岳: 我妻善逸さんとの戦いで敗れ、消滅しました。
- (※物語開始前に)産屋敷耀哉: 無惨への奇襲作戦の囮となり、自爆により死亡しました。
- 生き残ったキャラクター(第一章終了時点):
- 竈門炭治郎(重傷)
- 冨岡義勇(重傷、痣発現)
- 我妻善逸(重傷)
- 栗花落カナヲ(つゆり かなを)(童磨と対峙中)
- 嘴平伊之助(はしびら いのすけ)(「強い鬼」を探し中)
- 不死川玄弥(しなずがわ げんや)(兄・実弥を探し中)
- 不死川実弥(しなずがわ さねみ)(単独で鬼を撃破)
- 甘露寺蜜璃(かんろじ みつり)(伊黒小芭内と行動中)
- 伊黒小芭内(いぐろ おばない)(甘露寺蜜璃と行動中)
- 時透無一郎(ときとう むいちろう)(悲鳴嶼行冥と行動中)
- 悲鳴嶼行冥(ひめじま ぎょうめい)(時透無一郎と行動中)
- 愈史郎(善逸さんを治療)
- 産屋敷輝利哉(鬼殺隊を指揮)
- 宇髄天元(うずい てんげん)、煉獄槇寿郎(れんごく しんじゅろう)(輝利哉の護衛)
主要な三つの戦いの詳細をネタバレ解説!
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』では、鬼殺隊と上弦の鬼たちによる、息をのむような三つの主要な戦いが描かれました。それぞれの戦いの詳細と、キャラクターたちの運命を見ていきましょう。
蟲柱・胡蝶しのぶ vs 上弦の弐・童磨:姉の仇討ちの行方と最期
無限城に引きずり込まれた胡蝶しのぶが対峙したのは、上弦の弐・童磨。
童磨は、しのぶさんの姉である胡蝶カナエ(こちょう かなえ)を殺した因縁の相手であり、万世極楽教の教祖という異質な存在です。
童磨は、自らが信者を救うと称して殺し、喰らってきた過去を語り、それを“慈悲”と捉えて正当化します。彼の武器は鋭利な対の扇で、血鬼術により氷を自在に操り、極低温の攻撃を展開します。凍てついた血を霧状にして扇で拡散させる技は、吸い込むだけで呼吸器に致命的な損傷を与える恐ろしさを持っていました。
対するしのぶさんは、蟲柱としての技と毒を駆使して応戦します。毒を含ませた刺突技で攻め立てますが、童磨はしのぶさんの毒を瞬時に分解して無効化します。戦いが進むにつれ、童磨の広範囲な氷技により戦場が支配され、しのぶさんは次第に追い詰められていきました。
体力が限界に近づいたそのとき、姉・カナエの幻影が現れ、しのぶさんに励ましの言葉を投げかけます。その言葉に勇気をもらったしのぶさんは再び立ち上がり、蟲の呼吸・蜈蚣ノ舞「百足蛇腹」を放ち、童磨の首を狙った渾身の一撃を繰り出しますが、決定打には至りません。しのぶさんはついに力尽き、童磨に抱き締められながら敗北し、肉体を取り込まれてしまいます。
絶体絶命の瞬間、栗花落カナヲが戦場に駆けつけ、しのぶさんは意識が薄れる中、最後の力を振り絞り、手話のような指文字で童磨の能力についての情報をカナヲに伝えます。これは、次に戦う者への遺志であり、彼女が遺した“最後の剣”となりました。


我妻善逸 vs 新たな上弦の陸・獪岳:兄弟子との因縁と覚醒
次に描かれたのは、我妻善逸と新たな上弦の陸・獪岳との戦いです。獪岳さんは元々善逸の兄弟子で、雷の呼吸を操る育手・桑島慈悟郎(くわじま じごろう)の弟子でした。しかし、彼は黒死牟(こくしぼう)の前に跪き、鬼の血を受け入れることで鬼となり、上弦の陸へと昇格。この裏切りを知った悟郎は責任を感じて切腹し、自ら命を絶ちます。
この知らせが善逸の心に深い怒りと悲しみ、そして闘志を呼び起こしました。
戦いは雷の呼吸同士の壮絶な一騎打ちに発展します。獪岳は壱ノ型以外のすべての型を習得し、血鬼術の影響でその技は強化され、破壊力と速度に優れた攻撃を繰り出します。獪岳の斬撃には“継続ダメージ”の性質があり、傷が時間とともにひび割れを広げていくという恐ろしい特徴がありました。
一方、善逸は壱ノ型「霹靂一閃」のみを極限まで鍛え上げ、その一撃の精度と神速の踏み込みで応戦します。型の数では劣る善逸ですが、集中力と精神力により獪岳さんと互角に渡り合い、激しい攻防の中でその真価を発揮していきます。
善逸はこの戦いで、自身が編み出したオリジナルの技「雷の呼吸・漆ノ型 火雷神」を披露。爆発的なスピードで繰り出されるこの技は、獪岳でさえ目で追えない神速を誇り、善逸はこの技をもって獪岳の首を斬ることに成功します。
戦いの最中、「本当は一緒に肩を並べて戦いたかった」と呟く善逸の言葉は、彼の優しさと兄弟子への複雑な想い、そして精神的な成長を象徴しています。火雷神を放った反動で善逸は体力を使い果たし、獪岳の斬撃によって全身に重傷を負いますが、愈史郎が駆けつけ、治療薬により彼の命を救います。
命がけの戦いを経て得た勝利は、善逸というキャラクターの成長と覚悟を象徴する名場面として、多くの観客の心に刻まれることでしょう。


水柱・冨岡義勇&竈門炭治郎 vs 上弦の参・猗窩座:因縁の再戦と決着
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』のクライマックスは、水柱・冨岡義勇と竈門炭治郎による上弦の参・猗窩座との戦いでしょう。炭治郎が鬼殺隊に入るきっかけとなり、同じ水の呼吸を操っていた義勇とのコンビには多くの観客が唸らされました。
無限城突入後、冨岡義勇と共に行動していた炭治郎の前に猗窩座が現れ、即座に戦闘が始まります。炭治郎はヒノカミ神楽を駆使して応戦し、猗窩座の腕を斬り落とし、顔にも傷を負わせます。その姿に義勇さんは「柱に届く強さ」と称賛を送りました。猗窩座もまた、かつて煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)に「この少年は弱くない」と評されたことを思い出し、それを認めて術式展開を発動。炭治郎と義勇さんの連携をもってしても劣勢に追い込まれ、義勇は攻撃を受けて一時戦線を離脱します。
戦線に復帰した義勇は、猗窩座との戦いの中で“痣(あざ)”を発現します。この痣は、極限状態においてのみ現れる特殊な現象であり、身体能力と戦闘力が飛躍的に向上します。義勇はその力を得て、さらに鋭く力強い剣技を披露し、命を懸けた戦いに挑みました。
一方、猗窩座の闘気探知能力に対抗するため、炭治郎は幼少期の記憶を辿り、父・竈門炭十郎(かまど たんじゅうろう)が見せてくれた「透き通る世界」の存在を思い出します。炭治郎は意識的に闘気を遮断し、猗窩座の探知能力を無効化。その隙を突いて首を斬り落とすことに成功します。しかし猗窩座は、首を斬られてもなお肉体が崩壊せず、再び攻撃を仕掛けてきます。炭治郎は気絶し、義勇が身を挺して彼を守りました。
猗窩座の過去と最期を深掘りネタバレ考察!ラストの意味とは?
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』の最大のハイライトの一つは、猗窩座の壮絶な過去が描かれ、彼の最期が深く掘り下げられたことです。
「透き通る世界」とは?炭治郎覚醒の鍵と猗窩座の弱点
炭治郎が猗窩座との戦いで到達した「透き通る世界」とは、感情を排し、無駄な動きを削ぎ落とすことで、相手の動きや身体の構造が透けて見えるような「無我の境地」を指します。これは、炭治郎が幼い頃に父・炭十郎が巨大なクマを力感なく仕留めた際の体捌きを思い出したことで会得しました。また、伊之助が藤の家紋の家で老婆に背後を取られても気づかなかったというエピソードも、殺気や害意がなければ気づかれないというヒントとなり、炭治郎の覚醒に繋がりました。
この「透き通る世界」を会得した炭治郎、猗窩座の最大の武器である「闘気探知」を無効化することに成功します。猗窩座は相手の闘気を感知して攻撃を正確に当てていましたが、炭治郎が闘気を完全に消したことで、猗窩座は炭治郎の存在を認識できなくなり、これが猗窩座の首を斬る決定的な隙となりました。
人間時代「狛治」の悲惨な過去と鬼になった理由
猗窩座の人間時代の名前は狛治(はくじ)でした。彼は貧困の中で病気の父を救うために盗みを繰り返す日々を送っていました。しかし、父は狛治さんに迷惑をかけまいと自ら命を絶ち、「真っ当に生きろ、まだやり直せる」という遺書を残します。
深い絶望の中にいた狛治を拾ったのが、素流道場の師範・慶蔵でした。慶蔵は狛治を道場に住まわせ、病弱な娘の恋雪(こゆき)の世話を頼みます。父の看病で慣れていた狛治は根気強く恋雪の世話をしながら、慶蔵から武術を学び、穏やかな日々を過ごす中で恋雪と婚約し、道場を継ぐことになります。人間時代の狛治は、病気の人や要介護の人を支える「ヤングケアラー」であり、弱者を守ろうとする優しい心を持っていました。
しかし、その幸せは突如として奪われます。隣の剣道場の粗暴な跡取り息子たちが、素流道場の井戸に毒を入れ、慶蔵と恋雪は毒殺されてしまうのです。愛する者を失った狛治は怒りと絶望に駆られ、素手で犯人を含む67名を殺害しました。



この後、放浪していた狛治は鬼舞辻無惨と遭遇し、血を与えられて鬼へと変貌し、人間の時の記憶を失って「猗窩座」となったのです。猗窩座が鬼になっても女性を食べない設定や、素手での戦いにこだわるのは、恋雪を失った悲しみや人間時代の名残であると考察されます。
なぜ猗窩座は自ら死を選んだのか?煉獄杏寿郎との繋がりも解説
首を斬られてもなお肉体が再生しようとする猗窩座でしたが、その中で人間時代の記憶が鮮明によみがえります。恋雪との約束「誰よりも強くなって、一生あなたを守ります」や、父の遺言「真っ当に生きろ、まだやり直せる」といった言葉が彼の脳裏をよぎります。
猗窩座は、自分が「弱い奴」だと考える人間、辛抱できず自暴自棄になり、守るための拳で人を殺してしまった自分を一番殺したかったのだと思い至ります。そして、最も弱いのは自分自身だと結論づけ、自らを攻撃して肉体を破壊し、消滅するという選択をとりました。『鬼滅の刃』で自ら死を選んだ鬼は、猗窩座が初めてです。
この最期には、煉獄杏寿郎さんとの繋がりも深く関係しています。『無限列車編』で煉獄さんが猗窩座に対し「強さという言葉は肉体に対してのみ使う言葉ではない」と発言した言葉が、猗窩座の心に残っていた可能性があります。猗窩座は肉体的な強さを求め続けてきましたが、最期には内面の弱さに気づき、自分を葬るために煉獄さんとの戦いで使った「滅式」という技を自らに使ったのです。
炭治郎は死ぬ間際の猗窩座から「感謝の匂い」がしたと呟いており、猗窩座は炭治郎や煉獄さんとの出会いを通じて「気づき」を与えられたことに感謝していたのかもしれません。
猗窩座は、人間時代に父や恋雪の看病を通じて培ったコミュニケーション能力があり、お喋り好きな一面がありました。しかし、煉獄さんの「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け」という最期の言葉が猗窩座に届いていれば、彼の運命は変わっていたかもしれません。しかし、彼は己の弱さに気づいた時、潔く散る道を選んだのです。
まとめ:劇場版「鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」で描かれた3つの戦いとやりきれない過去
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』は、胡蝶しのぶ vs 童磨、我妻善逸 vs 獪岳、そして冨岡義勇&竈門炭治郎 vs 猗窩座という三つの壮絶な戦いを描きました。しのぶさんの自己犠牲、善逸の覚醒、そして猗窩座の悲しい過去と自滅という、それぞれの戦いの結末は、観る者の心を深く揺さぶりました。
特に猗窩座の人間時代「狛治」の物語は、貧困と絶望の中で一度は幸せを掴みかけたものの、再び全てを失い鬼となった彼の悲劇を丁寧に描き出し、多くの観客が涙しました。彼の最期が、煉獄さんの言葉や人間時代の記憶によって自ら選ばれたものであるという描写は、猗窩座が単なる敵ではない、強さに囚われた哀しき存在であったことを浮き彫りにしました。
この映画は、単なる戦闘アニメーションに留まらず、「命とは何か」「なぜ人は戦うのか」「人を想うとはどういうことか」という普遍的な問いを投げかけ、観る者の魂を揺さぶる傑作です。劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』は、シリーズ最高傑作と呼ぶにふさわしい「魂の到達点」であり、今後の「無限城編 第二章」「第三章」への期待を最高潮に高める作品となりました。