木村多江がいざなう小泉八雲の世界。『いまさらですが』再放送情報と朝ドラ『ばけばけ』への予習

木村多江がいざなう小泉八雲の世界。『いまさらですが』再放送情報と朝ドラ『ばけばけ』への予習

「むかしむかし、あるところに……」

子供の頃、誰もが一度は聞いたことのある『耳なし芳一』や『雪女』。これらが明治時代に来日した外国人、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲によって書かれたことは有名です。しかし、彼がなぜ日本の怪談に惹かれ、そこに何を見出していたのかを、大人になった今、詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。

NHK Eテレの人気番組『木村多江の、いまさらですが・・・』では、そんな「知っているようで知らない」小泉八雲の世界を特集します。

番組のMCを務めるのは、独特の透明感と和の情緒を併せ持つ女優、木村多江さん。彼女が案内人となることで、八雲の描く「美しくも恐ろしい」世界観がより一層引き立ちます。また、本特集は2025年秋から放送のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』の予習としても見逃せない内容となっています。

この記事では、番組の見どころや再放送情報、そして取り上げられた「3つの怪談」に込められた深いメッセージについて、分かりやすく解説していきます。

NHK『木村多江の、いまさらですが・・・』とは? 番組の魅力とキャスト

『木村多江の、いまさらですが・・・』は、大人が「いまさら聞けない」歴史や文化の基礎知識を、MCの木村多江さんと一緒に学び直す教養バラエティ番組です。

 

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教科書的な堅苦しい解説ではなく、当時の人々の暮らしや心情に寄り添いながら歴史を紐解いていくのが特徴。特に、木村多江さんのしっとりとした語り口と、時折見せるお茶目な一面が、視聴者を心地よい学びの時間へと誘います。

番組を彩る豪華キャスト

今回の「小泉八雲〜怪談 日本の面影を訪ねて〜」では、以下のメンバーが番組を盛り上げました。

  • 木村多江(MC): 番組の顔であり、編集長という役どころ。八雲の作品が持つ「儚さ」や「情念」を表現するのに、これほど適任な女優はいません。
  • 池田鉄洋(パートナー): 木村さんの相手役として、少しとぼけた味わいで番組の進行をサポートします。彼の軽妙なトークが、怪談という重くなりがちなテーマに程よい明るさを添えています。
  • 速水奨(語り): アニメや吹き替えで活躍するベテラン声優。その低音で艶のある美声(イケボ)によるナレーションは、怪談の神秘的な雰囲気を最高潮に高めてくれます。
  • 神田山緑(講談師): プロの講談師による迫力の語りで、物語の世界へ一気に引き込みます。
  • 徳永えり(リポーター): 実際に八雲が愛した地、島根県の松江・出雲を訪れ、その足跡を辿ります。

【最新情報】「小泉八雲」特集の再放送はいつ?

見逃してしまった方や、もう一度深く味わいたい方にとって、再放送情報は非常に重要です。NHKの番組は、本放送後に反響が大きいと再放送が組まれることが多いほか、大河ドラマや朝ドラの関連番組としてアンコール放送されることもあります。

主な放送スケジュール

  • 本放送・再放送の傾向: 土曜日の午後や、平日夜のプライムタイムに設定されることが多いです。直近では10月25日(土)などに編成されています。
  • 見逃し配信: 放送後1週間は「NHKプラス」での配信が期待できます。また、「NHKオンデマンド」では過去の放送回も含めて視聴可能な場合があります。

番組編成は急遽変更になることもありますので、最新の放送日時は必ずNHKの公式サイトや番組表で確認することをおすすめします。正確な再放送予定や、過去の放送回の詳細な内容については、NHKの番組公式サイトで確認することができます。また、見逃し配信の状況についてもこちらが一次情報となります。

(出典リンク) 木村多江の、いまさらですが・・・ – NHK

特に朝ドラ『ばけばけ』のストーリーと連動して、関連番組としての露出は増えていくでしょう。

なぜ今「小泉八雲」なのか? 朝ドラ『ばけばけ』との深いつながり

2025年秋からスタートしたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。このドラマのモデルとなっているのが、まさに小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、その妻・小泉セツです。

現在放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』は、NHKより正式に制作・放送が発表されており、小泉八雲と妻・セツをモデルに描かれていることが公表されています。番組の最新情報や今後の展開については、NHKドラマ公式サイトをご確認ください。

異国の夫と、語り部の妻

ギリシャで生まれ、アイルランドやアメリカを放浪した末に日本へ辿り着いた八雲。彼は片方の目の視力を失っており、コンプレックスや孤独を抱えていました。そんな彼の心を救ったのが、松江の士族の娘であるセツでした。

八雲の代表作『怪談(Kwaidan)』は、実は彼一人の力で書かれたものではありません。英語が読めないセツが、日本各地に伝わる民話や伝説を八雲に語って聞かせ、それを八雲が独自の感性で文学作品へと昇華させた「夫婦の共同作業」の結晶なのです。

番組では、この夫婦の絆や、セツが果たした重要な役割についても触れています。『木村多江の、いまさらですが・・・』を見ておくことで、朝ドラで描かれる夫婦の物語がより深く、より感動的に感じられるはずです。

特集される3つの怪談:その「恐怖」の裏にある日本人の心

今回の特集では、八雲の数ある作品の中から『耳なし芳一』『雪女』『乳母桜』の3つが取り上げられています。これらは単なるホラーではなく、日本人が大切にしてきた「見えないものへの畏敬」や「愛」が描かれています。

1. 耳なし芳一 〜鎮魂と祈りの物語〜

平家の怨霊に取り憑かれた琵琶法師・芳一の物語です。全身にお経を書いたものの、耳だけ書き忘れてしまったために耳をちぎられるという衝撃的なシーンはあまりにも有名です。

しかし、この物語の真髄は「恐怖」だけではありません。滅びゆく者たち(平家)の悲哀と、それを弔おうとする芳一の琵琶の音色、そして芳一を守ろうとした和尚や周囲の人々の必死の「祈り」が込められています。見えない霊魂を慰めるという、日本古来の死生観が色濃く反映された作品です。

2. 雪女 〜自然の美しさと残酷さ〜

吹雪の夜に現れた美しい雪女と、命を助けられた若者の物語。「誰にも話してはいけない」という約束を破った時、悲劇が訪れます。

雪女は、日本の厳しい冬の自然そのものを象徴しています。美しく、時に命を奪うほど残酷な自然。しかし、物語の結末には、去りゆく雪女の「情」のようなものが感じられます。人間と自然は共存しているが、一線を越えてはならないという戒めと、切ない異類婚姻譚としての側面を持っています。

3. 乳母桜(うばざくら) 〜自己犠牲と深い愛情〜

前の2つに比べると知名度は低いかもしれませんが、非常に心打たれる物語です。病弱な主人の子供のために、自らの命を神に捧げた乳母。彼女が亡くなった後、その魂が宿ったかのように見事な花を咲かせる桜の木の伝説です。

ここには、「誰かのために命をかける」という究極の無償の愛が描かれています。八雲自身、親の愛に恵まれずに育った背景があるため、こうした自己犠牲や家族愛をテーマにした物語には、特別な共感を寄せていたと言われています。

八雲が愛した「松江」と「出雲」の風景

番組では、リポーターの徳永えりさんが、八雲の暮らした島根県松江市と出雲市を訪れます。

松江は「水の都」とも呼ばれ、宍道湖の夕日は絶景として知られています。八雲はこの地で、日々移ろいゆく水面の輝きや、霧に包まれた幻想的な風景を愛でました。また、現存する武家屋敷には八雲の旧居があり、彼が執筆に使用した部屋や、庭を眺めた縁側などが当時のまま残されています。

松江市にある「小泉八雲旧居」は国指定史跡となっており、隣接する記念館とともに、八雲の生涯や功績を伝える貴重な資料が保存・公開されています。

(出典リンク) 小泉八雲記念館 | Lafcadio Hearn Memorial Museum

神々の国の首都・出雲

そして八雲は、日本最古の神社の一つである出雲大社へも足を運んでいます。西洋近代化が進む明治の日本において、変わることなく信仰を守り続ける人々の姿に、彼は「日本の面影(Old Japan)」を見出したのです。

木村多江さんのナレーションと共に映し出される松江・出雲の映像美は、見ているだけで心が洗われるような静謐さに満ちています。番組を見ると、次の旅行先として島根を選びたくなる方も多いでしょう。

まとめ:いまさらですが、小泉八雲は面白い

『木村多江の、いまさらですが・・・』で特集される小泉八雲の世界は、私たちが子供の頃に感じた「怖い話」という枠を大きく超えています。

  • 異文化理解: 外国人の視点から見た、再発見された日本の美しさ。
  • 夫婦愛: 朝ドラ『ばけばけ』へと繋がる、八雲とセツの絆。
  • 日本人の精神性: 自然への畏怖、死者への鎮魂、無償の愛。

これらを、木村多江さんという稀代の表現者を通じて「いまさらですが」と学び直す時間は、非常に贅沢な大人の楽しみと言えるでしょう。

放送を見逃した方は、ぜひ再放送やオンデマンド配信をチェックしてみてください。そして、八雲が愛した日本の心を予習して、絶賛放送中の朝ドラ『ばけばけ』をより一層楽しんでみてはいかがでしょうか。

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