「えっ、あの上品な木村多江さんが、あの『貞子』だったの?」
2024年8月、女優の木村多江さんが自身のInstagramで公開した「ある写真」が、ネット上で大きな波紋を呼びました。それは、日本ホラー史上最も恐ろしいキャラクター・山村貞子に扮した、25年前の貴重なオフショット。
しかし、その写真は怖いどころか「美しすぎる」と話題になり、さらには「実は映画版の貞子ではない」という事実も再注目されています。
この記事では、木村多江さんが演じた貞子の知られざる撮影秘話と、多くの人が混同しがちな「映画版」と「ドラマ版」の違いについて、詳しく解説していきます。
目次
木村多江が公開した「美しすぎる貞子」の正体
話題となったのは、2024年8月12日に木村多江さんがInstagramに投稿した写真です。「懐かしい写真が出てきました~」というコメントとともにアップされたのは、白いワンピースに長い黒髪、そして井戸から身を乗り出している自身の姿でした。
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通常、貞子といえば髪で顔が隠れ、不気味なオーラを放っているものですが、この写真の木村さんはニッコリと微笑んでいます。まだ顔に血のりをつける前の段階だったそうで、ファンからは「こんなに美しい貞子なら呪われてもいい」、「この貞子さんなら逃げないかも」といった絶賛のコメントが殺到しました。
この投稿は、公開直後に「美しすぎる」として主要なニュースサイトでも大きく報じられ、女優・木村多江氏の「薄幸美人」のイメージとのギャップが改めて話題となりました。
(出典リンク) 木村多江、貞子姿でほほ笑む…25年前の『リング』撮影レアオフショに反響「美し過ぎ」「この貞子さんなら逃げないかもです」 – ORICON NEWS
恐怖の井戸シーン、実は「日曜の公園」だった
この投稿でさらにファンを驚かせたのが、その撮影状況です。ドラマの中で最も緊張感が走る、貞子が井戸から這い出てくるクライマックスのシーン。さぞかし恐ろしい場所で撮影されたのかと思いきや、木村さんが明かした事実はあまりにも意外なものでした。
なんと撮影場所は、「のんびりとした日曜日の公園」。
周りには家族連れがたくさんいて、穏やかな空気が流れる中、公園の端っこに井戸のセットをちょこんと置いて撮影していたそうです。すぐ近くで子供たちが遊んでいる横で、白い服を着た女性が井戸から這い出る練習をしている……想像するとかなりシュールな光景ですよね。
「周りは家族連れがいっぱい」「こじんまり~と撮ったのでした」と振り返る木村さんの言葉からは、当時の撮影現場の和やかな、あるいは少しカオスな雰囲気が伝わってきます。あの恐怖シーンの裏側に、そんなほのぼのとした日常があったとは驚きです。
多くの人が勘違い? 木村多江は「映画版」の貞子ではない
ここで一つ、はっきりさせておきたい重要なポイントがあります。
「木村多江=貞子」と聞いて、「ああ、あの有名な映画『リング』でテレビから出てきた人ね!」と思った方も多いのではないでしょうか?
実はそれ、大きな勘違いなのです。
木村多江さんが貞子を演じたのは、1999年にフジテレビ系で放送されたドラマ版『リング〜最終章〜』と、その続編『らせん』です。
このドラマ版は、映画とは異なる設定やストーリーが展開されており、フジテレビの公式ドラマアーカイブにて、タイトル、放送年、主要キャストが確認できます。
日本中を恐怖のどん底に突き落とした映画版『リング』(1998年公開)で貞子を演じていたのは、舞踏家の伊野尾理枝さんという別の方です。
映画版『リング』の公式データにおいても、貞子役は伊野尾理枝氏であることが明記されており、記事で述べられている「映画版とドラマ版の違い」の決定的な根拠となっています。
映画のヒットとドラマの放送時期が近かったことや、木村さんの貞子役のインパクトがあまりに強かったため、記憶の中で混同されてしまっているケースが非常に多いのです。
映画版とドラマ版の決定的な違い
では、映画版とドラマ版の貞子にはどのような違いがあるのでしょうか。ここを知ると、なぜ木村多江さんがキャスティングされたのかが見えてきます。
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映画版(伊野尾理枝): セリフは一切なし。人間離れした動きや、異様な「怪物」としての側面が強調されました。カクカクと動く不気味な動作は、舞踏家である伊野尾さんならではの表現でした。
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ドラマ版(木村多江): 「人間・山村貞子」としての悲しい過去や内面にスポットが当てられました。セリフもあり、生前の美しくも儚い姿が多く描かれています。
つまり、ドラマ版の貞子には、単に怖がらせるだけでなく、「悲劇のヒロイン」としての演技力が求められたのです。
なぜドラマ版の貞子は「木村多江」でなければならなかったのか
ドラマ版では、貞子がなぜ呪いを残すことになったのか、その悲しい生い立ちが丁寧に描かれました。視聴者に「怖いけれど、かわいそう」と思わせるような、透明感と説得力が必要だったのです。
当時まだ20代後半だった木村多江さんが持つ、どこか影のある美しさと確かな演技力は、この「人間味のある貞子」にぴったりでした。ただのお化け役ではなく、一人の女性の人生を演じきったからこそ、25年経った今でも多くの人の記憶に残り続けているのでしょう。
当時20代後半! 「薄幸美人」の原点はここにあった
木村多江さんといえば、今や日本を代表する「薄幸美人」役の名手として知られています。『大奥』や『アンフェア』、『あなたの番です』など、数々の作品で「美しくも不運な女性」や「狂気を秘めた女性」を演じてきました。
その原点とも言えるのが、間違いなくこの貞子役です。
儚げな美しさが「怖さ」を倍増させていた
投稿された写真を見てもわかるように、若い頃の木村さんは、触れれば壊れてしまいそうな繊細な美しさを放っています。
ホラーにおいて、「もっとも美しいものが、もっとも恐ろしい」という演出は効果絶大です。ゾンビのような怪物が襲ってくる恐怖とは違い、美しい女性が恨みを抱いて迫ってくる恐怖は、見る人の心に深く粘りつきます。
日曜日の公園という、日常の象徴のような場所で撮影されたにもかかわらず、画面を通すと背筋が凍るような恐怖シーンに仕上がっていたのは、木村さんが持つ「日常を一瞬で異界に変える」演技力と存在感があってこそだったと言えるでしょう。
まとめ
木村多江さんが自身のInstagramで公開した25年前の「貞子」オフショットは、単なる懐かしい写真というだけでなく、彼女の女優としての凄みを再確認させるものでした。
- 話題の真相: 井戸のシーンは、実は日曜日の公園で家族連れに見守られながら撮影されていた。
- 重要な事実: 彼女が演じたのは映画版ではなく、人間ドラマを重視したドラマ版『リング』だった。
- 女優としての評価: 「薄幸美人」としてのキャリアは、この美しくも悲しい貞子役から始まっていた。
「美しい貞子」という矛盾した存在を完璧に成立させた木村多江さん。もし機会があれば、ぜひドラマ版『リング〜最終章〜』を見返してみてください。そこには、単なるホラーキャラクターの枠に収まらない、若き日の木村さんの熱演があるはずです。













